北本(埼玉)が「青空ツインズ」の活躍で初戦を突破した。田辺青(じょう)投手(3年)と空(そら)内野手(同)。兄の青が7安打1失点で完投すれば弟の空は2安打1得点と堅守で兄を支えた。

 9回裏、1点を失いなおも自らの失策で無死一、三塁の大ピンチ。マウンドの兄青の元に弟空が歩み寄った。「まだ余裕(3点差)があるんだから焦らずゆっくりいこう」。その言葉で青は自分の投球を取り戻した。遊飛、遊飛、中飛で後続を断ち逃げ切った。青は「自分的に嫌だなという場面でいつも来てくれる」と空に感謝した。

 「青空ツインズ」は1999年(平11)8月1日に誕生した。父治さん(47)は「夏の青空だったし、私の治と青、空は字画も同じなので」と名付けた理由を明かした。母典子さん(46)は「病院に行ってすぐに帝王切開で生まれたんです。正常分娩(ぶんべん)だったら兄弟逆になっていました。だからでしょうか、空の方が世話焼きです」。

 スコアボードを見れば8番を打つ「青」、9番の「空」と「青空」がきれいに並んでいた。治さんは「こんなこと初めて。夢が正夢になりました」と目を細めた。空は「双子なんで、スコアボードを見て自分の気持ちが高まりました。監督さんに感謝です」。

 小学4年で野球を始めて以来、中学、高校とずっと一緒にプレーしてきた。「青空ツインズ」の勝利を祝福するかのように、上尾市民球場の空は青く晴れわたっていた。【福田豊】