三島南が、強敵を撃破した。昨年準優勝の袋井に4-3。4点リードの8回途中にエース鈴木穂嵩(3年)が熱中症で降板するアクシデントも、公式戦初登板した2番手の大庭賢伸(2年)が粘投でリードを守った。大庭は打っても2安打2打点。投打で勝利に貢献した。

 強豪撃破に三島南ナインの笑みが弾けた。最終回は1点差に迫られたが、大庭が最後の打者を二ゴロに打ち取り、試合終了。校歌斉唱後はベンチメンバーも含めた全員で応援席に駆けだし、スタンドと一体で喜びを分かち合った。大庭は「どんな内容でも勝てて良かったです」。打っても2打点のヒーローは、会心の笑みを見せた。

 予期せぬアクシデントだった。相手を0点に抑えていたエース鈴木穂が、8回途中に熱中症の症状を訴えた。降板直後には救急車で搬送。相手が左打者が多いことで、左投手の大庭に公式戦初登板の機会がめぐってきた。「まさか自分が投げるとは思っていなかったです」。2点リードも一打逆転の無死一、二塁のピンチだった。だが、大庭は丁寧に1球1球を投じ、後続のクリーンアップを3連続で左飛に打ち取った。

 大会前にもチームに激震が走った。1年で正捕手の岩井琉射が、開会式前日の練習試合で左ひざを負傷。内側靱帯(じんたい)損傷で全治3週間の大けがを負った。この日は昨秋まで正捕手だった山下宏太(3年)が先発。稲木恵介監督(38)は「高低をうまく使って配球をしてくれた」と手放しで喜んだ。

 次戦の相手は名門の浜松商。大庭は「いい準備をして勝ちます」と言った。2015年の夏には8強入りし、昨夏は50年ぶりのシード校として大会に臨んだ。着々と強くなる三島南。浜松商にも全く気後れしていない。【神谷亮磨】