盛岡大付(岩手)、三浦瑞樹投手(3年)の出番が来る。チームは16日、全国高校野球選手権の2回戦で松商学園(長野)と顔を合わせる。松商学園が左打者5人をそろえるため、1回戦で登板のなかった背番号10の左腕が先発することが濃厚。14日は西宮市内で調整した。昨夏、今春の甲子園で計6試合に登板したキャリアを生かす。

 甲子園を知り尽くした左腕が、盛岡大付の2年連続16強入りに奮い立つ。「やることをやって、取れるアウトはしっかり取る」と、三浦瑞は自然と気合が入った。この日は捕手を座らせ、ブルペンで「真っすぐ中心」(三浦瑞)に20球を投げた。走者を置いた実戦形式のノックにも参加。松商学園が得意とするセーフティーバントの処理や、ベースカバーなど精力的にグラウンドを動き回った。

 左打者5人が並ぶ松商学園。関口清治監督(40)は「左が多いので三浦でいくことを頭に入れている」と言い、先発が濃厚となった。昨夏の覇者・作新学院(栃木)を破った1回戦は、ダブルエースを組む背番号1の右腕平松竜也(3年)が好投して完投した。「作新に投げたかった」と試合後に言った三浦瑞は、初戦で登板できなかった思いを2回戦にぶつける。

 昨夏は11、今春と今夏は10と、背番号1をつけて甲子園で投げたことがない。それでも「背番号はマウンドに立てば関係ない」と投球に集中する。何より6試合に登板したキャリアが強みだ。6失点や途中降板もした。今春のセンバツ2回戦では、連覇を狙った智弁学園(奈良)を1失点完投で破った。苦い思いも、うれしい思いも味わった。「この夏はいいイメージで終わりたい」と好投を誓う。

 左打者へは攻める。「思い切って真っすぐで押して、インコースを突きたい」。内角を見せながら、外角のスライダーで打ち取ることもできる。右打者にはチェンジアップがさえる。12日に60球以上を投げ込み、関口監督は「県大会より球はいい」と好調を認める。待ちに待った今大会初登板に「落ち着いてやるだけです」。左のエースは自信満々に言い切った。【久野朗】