秋季高校野球神奈川大会の準々決勝2試合が20日、サーティーフォー保土ケ谷球場で行われた。夏の甲子園に出場した横浜が、鎌倉学園に8-15の8回コールド負けを喫し、来春のセンバツ出場が絶望となった。

 3点差を追いついた8回裏に7点を失った。5回途中から登板した板川佳矢投手(2年)が、先頭打者を四球で歩かせると、直後に勝ち越しを許す三塁打を浴びた。さらに4連続四球で2度の押し出し。「ストレートを張られているからって、変化球、変化球でいってたら腕が振れなくなった」と、板川が相手打線の強振にリズムを崩されると、投手が代わっても流れは戻らない。14年秋以来のコールド負けとなった。

 序盤から投手陣が乱れた。先発の及川(およかわ)雅貴投手(1年)が2点の援護を受けた初回に満塁本塁打を浴びるなど、2回2/3で6失点。4投手の合計は12被安打、15四死球に至った。平田徹監督(34)は相手打線を「考えていたよりはるかに良かった」とたたえた上で「来年までにピッチャーをもう少し鍛えていかないと」と、奮起を促した。

 打線も最大5点差を追いついたとはいえ、同点にした8回1死三塁から4番万波中正外野手(2年)が三振、5番長南有航外野手(2年)が一ゴロ。「あそこで勝ち越せないのが現状のチーム力」と平田監督は振り返った。今夏甲子園スタメンが5人、3人が途中出場と、経験豊富な実力者がそろいながらコールド負け。15年夏から7季連続で県決勝を戦っていた常勝軍団は、第100回の記念大会となる来夏甲子園に向け、痛恨の敗戦から再出発する。【石原正二郎】

 ◆横浜のコールド負け 14年秋3回戦で慶応に1-8(8回)で敗れて以来。この時はデータ分析に優れた小倉清一郎コーチが勇退したばかりの転換期で、1年生の藤平(現楽天)が3回1/3を5失点。同年は5月の春季関東大会でも浅間、高浜(ともに現日本ハム)らが霞ケ浦(茨城)に2-9で7回コールド負け。70年春(神奈川工に2-12)以来44年ぶりとなる同校の公式戦コールド負けを年間2度喫した。