花巻東(岩手1位)が、花巻商時代の73年以来44年ぶり2度目の決勝進出を果たし、6年ぶり3度目のセンバツ出場を確実にした。

 背番号1の左腕田中大樹(2年)が10安打を浴びながら、4失点の公式戦初完投。8回に2点差に迫られても耐え抜き、135球を投げ抜いた。「背番号1をもらったので、それ以上のピッチングをしないといけないと思った」と責任を全うした。背番号1の花巻地区予選で打ち込まれ、県大会は背番号11。その県大会で結果を出し、再びエースナンバーを着けていた。

 花巻東は県大会から7試合すべてが3点差以内。接戦に強く、この日も同点とされた直後の6回に、4番紺野留斗外野手(2年)のソロ本塁打などで3点を勝ち越し。試合巧者ぶりも見せつけた。佐々木洋監督(42)は「厳しいゲームを乗り越えて、成長してくれている」と目を細めた。

 センバツに関して、佐々木監督は「発表まではっきりしたことは言えないですね」と慎重に構えたが、来春のセンバツは第90回記念大会のため、東北の一般枠は1つ増えて3枠。決勝に進出した聖光学院(福島1位)とともに、当確ランプがともった。

 09、12年の過去2度出場したセンバツは、前年秋の東北大会はいずれも4強止まり。佐々木監督は「優勝旗を取ると話をしている」と選手にハッパをかけている。紺野は「神宮大会を目標にしている」と言い、初優勝と出場権を得る明治神宮大会(11月10日開幕)をにらんだ。