三重が乙訓(京都)を接戦の末に退け、92年の64回大会以来、26年ぶりのベスト8入りを果たした。

 1回に先制し、3回に追い付かれた。直後の3回裏2死無走者から浦口輝外野手(3年)が右翼ポール際に勝ち越し本塁打を放ち、これを先発の福田桃也投手(3年)が8安打1失点の好投で守りきった。

 エースナンバーを背負う福田は、高校入学後に、初戦の日大三を完封した定本拓真投手(3年)や山本大雅投手(3年)ら上手投げの本格派がいたため、生き残るためにスリークオーターからサイドスローに転向した。「外に逃げる球が欲しい」とツーシームも習得。この日、8回1死二、三塁のピンチで相手の4番を三振に打ち取るなど随所でツーシームを有効に使った。

 福田は「ちょっと(甲子園の)雰囲気にのまれていたんですが、浦口の本塁打で勝ち越して落ち着けた。前の試合で定本が完封していたので、最後まで投げ抜きたかった」と笑顔を見せた。小島紳監督(28)も「うちは福田がエースのチーム。大事な試合なので任せました」と背番号1の快投に満足そうだった。