ドラフト候補の花咲徳栄(埼玉2位)の野村佑希内野手(3年)が、高校通算52号を含む3安打3打点で打線をけん引し、専大松戸(千葉3位)に逆転勝ちした。

 雨上がりの日差しを浴びながら、花咲徳栄・野村は手応えを感じていた。3点を追う3回無死、初球の内角直球を押し込み、高校通算52号となる右越え本塁打を放った。納得の表情でハイタッチ。「腰の高さのボールを、自分のタイミングで打てた。劣勢の場面で打てたことが良かったです」と振り返った。

 プロ注目スラッガーの本領を発揮した。昨冬、逆方向への打撃を意識して練習に取り組んだ。今年の17本塁打のうち、約半数が逆方向。名が売れるほど厳しいコースを突かれるが、内角も外角も本塁打にする技術を磨いている。「練習の成果だと思う。インコースの球も打ち返せば、投げられなくなる。厳しいコースも打ち切れれば」と話した。

 1回には先制の2点適時打を放ち、8回は9球粘って四球で出塁。4打数3安打2四死球で、逆転勝利を引き寄せた。「チームに根気がついてきた。打ち勝てたのは、攻撃力が上がった成果」と胸を張った。開会式では、昨夏の甲子園優勝旗を掲げ、観客に披露した。公の場では初めて手にし「重かった。全員で(甲子園に)返しに行きたい」。頼れる主将が、さらなる進化を遂げる。【保坂恭子】

 ◆野村佑希(のむら・ゆうき)2000年6月26日、米国ミシガン州ハウエル生まれ(誕生時4500グラム)で、日本人の両親と1歳半まで在住。その後、群馬県伊勢崎市で育つ。ミドルネームはジェームス。小学2年で野球を始め、中学時代は太田市リトルシニアでプレー。花咲徳栄では1年秋から4番を務める。入学時は投手で、現在の最速は146キロ。好きな選手は日本ハム大田泰示。185センチ、90キロ。右投げ右打ち。