下仁田・板倉の連合チームは7回コールド負けを喫したものの、1点を奪う粘りを見せた。

 10点を追う7回、先頭の三田魁星外野手(1年)が中前打を放った。1死二塁で、市川優斗内野手(1年)が振り逃げで出塁。1死一、三塁、堀口陽輝(はるき)外野手(2年)は遊ゴロだったがヘッドスライディングで滑り込み、間一髪で貴重な1点を挙げた。

 堀口陽輝は、野球部員ではない助っ人。兄の堀口陽向(ひなた)内野手(3年)が下仁田の主将を務めており、田部井雅行監督の誘いも受けて6月から練習に参加していた。「あそこで打たないと兄貴の3年間が台無しになると思って、何でも打ってやるぞ、という気持ちだった。タイミングよく捉えることができました」と振り返った。

 中2まで野球部だった経験者。高校では野球部に入らなかったものの、自主練や知人の草野球チームでプレーしていた。この日は途中出場し、5回の第1打席で右前打をマーク。果敢に盗塁も仕掛けた。大勢の観衆の前で結果を出し、高校野球の魅力に気付いた。「野球部で残り1年、やってもいいかなと本気で思いました」と入部を検討していた。

 2チーム合同で練習できたのは、2回だけだった。0-9の6回には、先頭の浦野晃太朗外野手(2年)が打席で足をつり、交代を余儀なくされた。さらに9回1死一、三塁では、一塁走者の市川がけん制で滑り込んだ際に右肩を脱臼。救急車で搬送されるアクシデントも発生した。

 それでもベンチ入りを含めた全12人が出場し、戦い抜いた。下仁田の田部井雅行監督は「人数は少なかったですけど、練習した成果は出せたと思う。選手はよく頑張った。試合を通じて、成長してくれた。『なんとか1点取ろう』と言っていたので、良かったです」と話した。