北北海道大会では、3季通じて道大会初出場の紋別が6-4で岩見沢農を振り切り、北大会初白星を挙げた。

 創立12年目の紋別が初勝利を飾った。初めて旭川スタルヒンに校歌を響かせると、ぎこちない足取りでスタンドに向かい「よくやったぞー!」という声援に笑顔で応えた。足立(あしたて)拓也監督(40)は「肩の荷が下りました。期待されていたのでホッとしてます」と一安心した。

 打線が初回からノリノリだった。0-0の2死一、三塁で5番対馬が相手三塁手の頭上を越える2点適時二塁打を放ち先制。2回は2安打、3回は3安打を集めてさらに得点を重ねた。計10安打6得点。序盤から主導権を握り地区を1人で投げ抜いた左腕エース柴門をアシストした。

 10万スイングの効果を見せた。例年、冬場は筋トレが主体。だが今回は初めて4カ月間でバット10万回振ることを決めた。一谷主将が中心となり「届かなさそうで届きそうな数」を設定。ペースの違いはあったが部員24人全員が達成した。「地区では打てなかったけどここに来て効果が出た」と一谷主将。監督が管理するチェック表が、シーズンに入り自信の証しとなった。

 結果で恩返しをしたかった。地区突破を決めてからOBや学校関係者、紋別市内の企業からの寄付金約300万円があっという間に集まった。雨天順延で全校応援はならなかったが、この日は有志の生徒約100人が約2時間半、バスに揺られ駆け付け、宮川良一市長(64)も応援した。

 16年から紋別市の任期付き職員として指導する元日本ハム浅沼寿紀氏(28)はスタンドから見守った。歴史的な勝利にも「ボヤいてましたよ」と要求は高い。次の旭川実戦に向け「まず目標は4強。応援に感謝しながら一生懸命やりたい」と一谷主将。初陣の勢いに乗って強敵撃破を目指す。【西塚祐司】