<高校野球群馬大会:前橋育英6-5高崎健康福祉大高崎>◇25日◇決勝◇上毛新聞敷島球場

 憧れから、目標に変わった父をいつか超える-。広島の高山健一スカウト(46)を父に持つ高崎健康福祉大高崎(群馬)の遼太郎三塁手(3年)は涙を流しながら、この日の敗戦を糧に次なる舞台での「父超え」を誓った。

 遼太郎 負けたのは悔しいですが、プロになって、お父さんを超えるという目標があります。おやじを抜いて、今日負けたことが小さかったと言えるような野球人生を送りたいです。

 父の影響から小学1年で野球を始めた頃から、父は憧れのヒーローだった。広島、西武でプレーした父は01年に現役を引退。00年生まれの遼太郎にとって、現役時代の姿の記憶はなかったが、過去の映像や写真を目にする度に、父の偉大さを感じた。

 父の存在が「憧れから、目標に変わった」のは、甲子園に出た時だった。父は東農大二で夏の甲子園に出場。遼太郎も昨年のセンバツに出場し、初戦の札幌第一(北海道)戦で初安打も放った。父と同じ舞台に立った感動は、遼太郎にプロへの思いも抱かせた。

 今年の3月から、驚異の32発を放ち、高校通算本塁打は47本を数えた。今後の進路について、遼太郎は「親と相談してからですが、甲子園に行ければ(プロ志望届を)出す方向だったかもしれませんが、今のところは社会人野球を目指してから、プロに行きたいです」と話した。青学大、本田技研(現ホンダ)を経て、プロ入りした父の背中を追いかける。【久保賢吾】