アジア各国・地域が「吉田包囲網」を敷いた。今日3日にU18(18歳以下)アジア選手権が宮崎で開幕。前日の2日、同地で公式練習が行われ、高校日本代表は約2時間最終調整した。同組でライバルの韓国、スーパーラウンドで対戦する可能性のある台湾の指揮官は、金足農・吉田輝星投手(3年)を警戒レベルMAXでマーク。同組の香港、スリランカのチーム関係者も吉田の名を挙げ、異国にも「カナノウ旋風」が届いていたことを証明した。

公式練習を終えた各国・地域の指揮官が、次々と「YOSHIDA」の名を挙げた。最初に練習を終えた、5日に対戦する韓国のキム・ソンヨン監督(48)は「韓国でも話題になっていて、野球が好きな人も、知らない人も注目してるよ」と話した。投球も動画サイトで確認済みで「スライダーがすごいと。スピードも制球力もいいね」と警戒。最速150キロで右横手のソ・ジュンウォンらを擁する韓国も、吉田を特別視した。

7日から始まるスーパーラウンドで対戦の可能性がある台湾のリ・ライファ監督(63)は、夏の甲子園の試合をテレビ観戦し、吉田の投球を目に焼き付けた。「いい選手だね。空港に人がたくさん集まってる新聞、写真も見たよ」と“カナノウ”旋風までもチェック済みだった。

韓国とともに、日本と同組の2カ国はお手上げ気味に吉田を表現した。今日3日に対戦する香港のアハーン・パトリックハワード監督(48)は「甲子園の試合を映像で見たが、非常に素晴らしいね。17歳とは思えない」と絶賛。大リーグのタイガースで投手でプレーした経験を持つ同監督は「僕たち以外の試合で投げてほしいね」と笑顔で願った。

4日に対戦するスリランカのパシラージャ・アミラ・コーチ(32)は「潜在能力が高いね。とにかくボールが速くて、コントロールがいい」と称賛。「スリランカでは、150キロなんて見られないよ。(150キロの球速は)私の国ではノックで打って、出すしかないんじゃないか」と笑った。

香港のパトリックハワード監督、中国のリ・ウェイ監督(45)は「侍ポーズ」も「知っているよ」と話した。永田裕治監督(54)は「2戦目以降の先発は決まっていません」と話したが、韓国戦やスーパーラウンドなど、勝負どころの一戦での先発が有力。アジア各国の選手、指揮官が注目する中、輝星はマウンドに上がる。【久保賢吾】