高校日本代表が14-1の7回コールドで中国を破って3位となり、来年のU18ワールドカップ出場権を獲得した。常葉大菊川(静岡)の奈良間大己内野手(3年)は2番二塁で先発し、長打2本の2打点と1犠打をマーク。守りでも1回表に中継プレーで本塁を狙った走者を刺すなど、大会を通じてノーエラーの堅実さを見せた。有終の美を飾る活躍に、これまで大学志望を公言してきたが、プロ入りを目指す気持ちも膨らんできた。

 「静岡のジーター」奈良間が、代表最終戦で「らしさ」を見せた。0-1の1回裏無死二塁からの犠打が野選を誘って同点につながると、4回裏無死1塁の場面では左翼線へ二塁打。12-1の6回裏2死一、三塁では、右越えに2点適時三塁打を放ってダメを押した。

奈良間 最後の最後で(木製バットの感覚が)「つかめた」という感じ。これをきっかけに次の進路でも頑張っていきたいです。

今夏の静岡大会で打率8割1分1厘、甲子園で3割8厘を記録したバットマンも、打撃練習で打球が上がらず、実戦ではフライアウトの連続と、木製への対応に苦しんだ。前横浜監督の渡辺元智氏(73)からの助言や、小園海斗内野手(報徳学園3年)根尾昂内野手(大阪桐蔭3年)らレベルの高い仲間たちからの刺激も受け、たどり着いたのは、菊川伝統の「フルスイング」を継続しつつ、しっかり上からたたいて強い打球を打つという基本の意識だった。

最終打席の三塁打は、金属バットでも見られなかった右方向への会心の打球だった。大会通算20打数5安打、6打点の打率2割5分は、決して高い数字ではないが「ここで得たものは大きいです。自分のプラスになりました」と笑顔。慣れない二塁の守備でも、大会を通じて安定したプレーを見せ、投手陣をフォローした。

これまでは、大学から社会人でのプレーが目標と話してきたが、進路について「まだ迷っているところです」と素直に明かした。不動の二塁手として高校日本代表を支えた奈良間の「次の進路」にも注目が集まりそうだ。【鈴木正章】