最速150キロの日大三・井上広輝投手(2年)は、無限の可能性を秘める。4月末に発症した右腕の筋肉の炎症後、公式戦初登板だった今夏の甲子園(対奈良大付)では、自己最速を3キロ更新する150キロをマーク。ケガからの復活途上で「今は8割くらいの状態です。(球速は)まだ出ると思います」と話し、周囲を驚かせた。

楽天岸やロッテ涌井のように、マウンドでは闘志を内に秘めながら、淡々とアウトを積み重ねる。大舞台に強く、小学6年時にはソフトボール日本代表に選出され、世界一に貢献。今春のセンバツでは初戦の由利工(秋田)戦で6回無失点の好リリーフ。2回戦の三重戦でも6回3失点と好投し、今夏の甲子園は自己最速を更新した。

負けん気の強さも、持ち合わせる。6月末に横浜と練習試合したが、同い年で最速153キロ左腕の及川雅貴投手(2年)に0-1で完封負け。故障の影響で自身の登板はなかったが、ライバル意識を強くさせた。この冬は肉体強化をテーマに設定。「もっと体を強くして、(同世代で)1番を目指したいです」と力を込める。【久保賢吾】

◆井上広輝(いのうえ・ひろき)2001年(平13)7月17日生まれ、神奈川県出身。小1からソフトボールを始め、中学時代は相模ボーイズ、海老名南シニアでプレーした。最速150キロで、変化球はスライダー、チェンジアップ、シンカー。兄大成は17年夏に高校日本代表に選出され、現在は青学大でプレーする。好きな言葉は「最強」。180センチ、76キロ。右投げ右打ち。