2019年も高校野球を熱くしてくれる選手が数多くいます。今年のドラフト候補選手を紹介。今回は公立校のドラフト候補選手で、社(兵庫)・藤本竜輝投手(2年)。プロスカウト陣から「関西圏の投手の目玉」との声も上がる最速147キロ右腕だ。

入学後、高校1年の冬は腰の分離症を患い、思うように練習はできなかった。だが約2カ月、体幹トレーニングに励み、基礎を作った。「体育科」であることも成長を後押し。陸上競技、跳び箱、柔道、バレーボール…。多くの実技が授業にあり「陸上では体の使い方が分かった。走り幅跳びでは走り方とか、足の使い方を教えてくれました」。すべてが野球につながっている。入学時67キロだった体重は現在74キロ。球速は17キロもアップした。体重はさらに2~3キロ増を目標にし、球速も150キロの大台を目指している。

社では現在プロ野球界でも使われる、投げるだけで回転数や速度が分かる装置が搭載されたボールを使う。藤本の回転数は現在2000強で「あと200、300は上げたい」という。現在は、約3キロのサンドボールを指先でつかむトレーニングを1日200~300回ほど行い、指先も鍛えている。

18年ドラフトで社出身の2人が指名された。阪神1位の大阪ガス・近本光司外野手(24)と楽天1位の立命大・辰己涼介外野手(22)。「社の誇りだと思います。(自分も)プロに行きたいなと思います」と藤本。先輩たちの背中を追う1年が始まる。【磯綾乃】

◆藤本竜輝(ふじもと・りゅうき)2001年(平13)11月1日、兵庫・加東市生まれ。兵庫教育大付属小3年時に社ベアーズで野球を始め、兵庫教育大付属中では野球部に所属。社では1年夏からベンチ入りし、2年秋から背番号「1」。今夏は西兵庫大会8強、秋は県4強。最速147キロ。50メートル6秒4。遠投104メートル。179センチ、74キロ。右投げ右打ち。