今秋のドラフト上位候補に挙がる奥川恭伸投手(2年)を擁する星稜(石川)が6日、新年初練習を行った。

金沢市内の神社で参拝後、室内練習場で約6時間の練習をこなした。ブルペンでは、集まったNPB3球団のスカウトの前で力強い球を投げ込んだ。

第91回選抜高校野球大会(3月23日から12日間、甲子園)への出場が確実。最速150キロを誇る奥川は初日から60球を投げた。「全部の持ち球の精度を上げたい。春にすぐ結果が出るかは分からないが、1年のどこかで、やってきてよかったと思えるようにやっていきたい」と体作りと並行して球の質を高めることに専念している。

昨秋の明治神宮大会で準優勝し、選抜大会では優勝候補の1つと評される。全国制覇を目標とする注目右腕は「今まで日本一と言ってきたが、道のりが把握できていなかった。昨秋で日本一への距離はつかめた。足りなかった分をしっかり埋めていければ」と頂点を見据えた。

チームは昨年の大みそかまで4泊5日の沖縄合宿を初めて行った。紅白戦など実戦形式の練習を多く積み、秋にメンバー外だった選手も含めて全員に平等にチャンスが与えられた。

林和成監督(43)も「実戦の中で、とくに野手で楽しみだなという選手が何人かいた。この何カ月かの成果を出せている。全員が同じ練習をして、競争させて、チャンスを与えるという話をしている」と底上げを実感。近日中に30人程度までメンバーを絞り、例年より早めにチームを作っていく。

26日に沖縄に飛んだが、那覇空港の滑走路が一時使用不能で着陸できず、沖縄上空から鹿児島に舞い戻り、急きょ霧島温泉で1泊した。だが、まさかのハプニングにも選手たちは動揺せず、楽しんでいるかのようだったという。精神的なタフさも備えた? 星稜ナインは石川県勢初の甲子園優勝に向けて、勢いよくテークオフした。