全国の注目選手を紹介する高校野球特集の最終回は「東北・北海道編」。青森山田のエース堀田賢慎投手(3年)は冬の間に球速を10キロもアップ。

岩手出身の快速右腕は大船渡・佐々木だけじゃない。青森山田のエース堀田は、ひと冬で球速を10キロアップさせ、存在感も急浮上した。今春の東北大会で自己最速148キロをマーク。「この夏には150キロ超えを目指しています。1人、次元の違う人がいますけれどね」。中3時のKボールの大会で対戦し、見逃し三振に抑えられた佐々木への対抗心もひそかに抱く。

小中学校は大谷翔平や菊池雄星を生んだ花巻東から500メートル圏内。2人が憧れの存在ではあったが「親元を離れて、県外で精神的にどれだけ強くなれるかを試したかった」と青森を飛躍の地に選んだ。

昨年までは屈辱の連続だった。宿敵の八戸学院光星に3季連続コールド負け。昨秋の東北大会では初戦の大崎中央(宮城)戦で9回に3失点し、サヨナラ負け。「体力をつけることを見直してきた。自分の体に合った筋肉で、最高の投手になる」。雪の中でのダッシュだけでなく、時にはほふく前進で鍛え上げた成果が結実した。今春は八戸学院光星にリベンジ勝利し、県制覇。堀田の逆襲は始まったばかりだ。【鎌田直秀】