加悦谷(かやだに、京都)の3年生トリオの挑戦が終わった。日星に0-6。小柴悠真主将(3年)は「まだこのメンバーでやりたい」と目を潤ませた。部員11人で3年生は大西涼真捕手、石田和歩外野手と小柴だけ。入学時、野球部にいたのは小柴の兄の真尋主将ら3年生9人。最初の夏に負けると、1年生3人が残された。

「あの時が一番きつかった」と口をそろえる。飯高英世監督(42)は夏の1カ月間、毎日素振り1000~3000回の猛練習を課した。だが誰も文句を言わなかった。他のクラブの生徒に「何で手を抜かずにやれるのか」と驚かれた。

飯高監督は「一切、折れなかった。本当によく頑張った。彼らはどこに出しても恥ずかしくない」と涙を流した。打撃が苦手だった石田と大西には最終戦でクリーンヒットが出た。

今秋は再び連合チームでの参加が濃厚。来年4月には宮津と統合する。京都北部も少子高齢化が顕著だ。小柴は「地域の人に支えてもらってきた。(学校、自宅がある)与謝野町は介護やリハビリの人出が必要。地元でそういう仕事をしたい」と夢を語る。恩返しの思いを胸に、3人はそれぞれの道をいく。【柏原誠】