ドラマの主人公のように板橋(東東京)が格上の城東を倒した。6回2死一、二塁、藤本一輝内野手(3年)の中前適時打が決勝点。試合後、ベンチ裏で柴崎正太監督(31)は「本当に勝ったよね? うれしいなあ」と号泣した。

再出発を求めた。責任部長に就任した5年前、部員の不祥事が相次ぎ、高野連からの謹慎処分もあった。再出発をきっても、部員の素行の悪さは続き、15年秋「いっそ全員で退部届を出そう。新しい野球部を作ろう」と伝えた。再入部した部員は4人。前監督も辞任した。「野球部を通して学校全体をよくしたい」と監督になった。

「人間の成長なくして野球の成長なし」。恩師の小山台・福嶋正信監督(63)に言われた言葉を大事にする。殊勲打の藤本は「絶対に監督は僕たちを見捨てない。野球をこれだけ努力できたのは生徒思いの監督がいたから」と目頭を熱くした。

▼板橋高校を64年に卒業した俳優村野武範(74)の話 ほーっ、すごいね。自分は同窓会にもあまり出たりはしてないんだけど、後輩たちの活躍を聞くとうれしいね。この先も頑張ってください。