試合終了時の整列。中西球審は「ナイスゲーム!」と言ってから両軍ナインに礼を促した。9日、11日と2度雨天順延になり、会場も前日に急きょ変更された。その条件下でも、互いに失策のない締まった試合だった。

勝ったのは北嵯峨。市田一成投手(3年)が4安打完封した。自己最速135キロと驚くような球速はないがコーナーを突く投球術を見せた。4度、得点圏に走者を背負ったが危なげなくゴロを打たせて取った。

96年の夏を最後に甲子園から遠ざかっている。エース右腕は「ここで負けたら強い北嵯峨を取り戻せないと思った。京都で優勝して名前を売りたい」と気合満点の投球だった。

春季大会でベスト8に入り、シードで臨んだ夏。29歳の西純平監督は「やっぱり初戦は難しいが、いい緊張感で接戦をできた。守りのいいチームなので、練習の成果が出た」と無失策を評価した。