エースの意地を見せた。習志野(千葉)の飯塚修人投手(3年)は今夏初先発に「先発を任されたからには、少しでも長いイニングを投げる」と自分に言い聞かせた。最速は146キロに抑え、安定したコントロール、タイミングを外す変化球、一番の持ち味の真っすぐを力いっぱい投げ込んだ。

1点リードの9回には、真っすぐで2者連続三振。続く打者に二塁打を打たれるも、強気の攻めは崩さなかった。最後の打者も真っすぐで見逃し三振に仕留め、両手を突き上げた。9回133球を7安打7三振2失点。公式戦初完投に「終盤は100%の力で投げました。最後は力んじゃったかな」と苦笑いを見せた。

小林徹監督(57)は「こういう試合は1番が締めなければいけない。代える気はなかったです」と飯塚への信頼を明かし、「目配り、気配りできるようになった」と成長を認めた。センバツからひと回り大きくなった飯塚が優勝へとチームを導く。【保坂淑子】

▽習志野OBのロッテ古谷が、スタンドから母校に声援を送った。「飯塚は球もアベレージも速くなっていた。この1年の練習の成果を見せてくれた。完投は小林監督から信頼されている証拠ですね」と、後輩の成長に目を細めた。