桜宮は善戦およばず履正社に屈した。4投手の継投で強力打線を2点に抑えたが、相手エースのベストピッチに歯が立たなかった。

今年5月から取り組んでいる「失敗後のガッツポーズ」の効果は発揮した。3回、左翼の坂元彪吾主将(3年)がライン際の飛球をつかみ損ねた。

坂元は自らを奮い立たせるように、2歩、3歩と助走をつけて右こぶしを高々と振り上げた。「よっしゃー!」。三塁応援席の控え部員も同じように叫んで答えた。2死二塁のピンチだったが切り替えに成功。後続を抑えた。

阪神矢野監督の「矢野ガッツ」とは対照的な使い方だが、間違いなくガッツポーズは快進撃の原動力になった。

試合後、球場外で部員全員が円陣を組んだ。「ミスの連鎖をなくすため」にガッツポーズを発案した北風和樹監督(58)が中央に歩み出た。「この試合に負けたのは俺のミス。最後に付き合ってくれ」。指揮官が全力で「よっしゃー」と、ガッツポーズすると部員たちも「よっしゃー」とこぶしを突き上げた。