近大付が両軍16安打ずつの壮絶な打ち合いを制した。同点の6回に朝原成貴捕手(3年)の左越え2ランなどで一挙6点を勝ち越したが、7回に6点を返され同点。だが8回に2点、9回も3点加えて突き放した。

前日25日の試合で遊撃レギュラーの阿田木(あたぎ)健介内野手(3年)が守備で走者と接触して左腕を骨折した。藤本博国監督(49)は選手たちに「夏はどの試合も苦しいが、プレーができないやつもいる。できるだけ幸せやないか」と伝えていた。フォーメーションも変え、決してきれいな形の勝利ではなかったが「みんなの思いが強かった。それを最後まで貫き通してくれた。選手に感謝したい」と指揮官も喜んだ。

攻守のキーマン不在をはね返す勝利。藤本監督から「これでええか」と声を掛けられた阿田木はうなずいた。「試合には出られないのでベンチからの声で支えようと思った。全員が答えてくれてよかった」と笑みを浮かべた。

昨夏の南大阪代表は大会の中で力をつけてきた。28日の準決勝では履正社と対戦する。