高い壁をついに越えた。金光大阪が大阪桐蔭を下し、準決勝進出だ。08年秋の近畿大会準々決勝で勝ったのを最後に、17、18年夏の大阪大会を含め、公式戦6回連続で敗れていた相手との死闘。延長14回、練習でも経験したことがないというタイブレークの末の撃破。リベンジは結実した。

1点を追う9回1死から昨夏の一戦に出場した久下奨太内野手、鰺坂由樹投手(ともに3年)の連打などで同点。14回は同点とし、なおも1死満塁の好機で7番戸村遥也外野手(3年)が「勝つことだけ考えた」とサヨナラスクイズを成功させた。横井一裕監督(44)も「(タイブレークの)初が桐蔭戦でどうしようと。集中して良く守った」と健闘をたたえた。

スタンド、ベンチからの大声援は試合開始から3時間たっても途切れず、大阪桐蔭に押される展開が続いたが「打てよ」「勝つぞ」と互いに笑顔でハッパをかけあった。劣勢下でも「笑顔」を選手間で徹底し、大きな勝利をつかんだ。

昨秋は3回戦で1-10のコールド負け。エースの鰺坂は試合中に倒れ、敗戦の記憶はおぼろげだ。この日は途中登板し7回2安打2失点と粘投で投げきった。「めちゃくちゃうれしいです。でも大阪桐蔭を倒すのは通過点。甲子園を目指します」。夏は07年以来となる甲子園出場へ、あと2つと迫った。