全国高校野球選手権が6日、甲子園球場で開幕する。5日は開会式のリハーサルが同球場で行われ、新潟県代表・日本文理(2年ぶり10度目出場)の鈴木崇監督(38)と、1回戦(10日)の相手、関東第一(東東京)の米沢貴光監督(43)が対談。健闘を誓い合った。

リハーサル後、チームは大阪市内で練習。鈴木監督がキーマンに指名した4番中田龍希一塁手(2年)が打撃練習で快音を連発し、好調ぶりを披露した。6日は開会式が同球場で行われる。

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芯でとらえた打球が、約100メートル離れた右翼後方の校舎を覆うネットに直撃した。「引きつけてしっかり打てた」。中田は主砲らしい1発に確かな感触を得た。

リハーサル後、甲子園球場から大阪・信太高グラウンドに移動しての実戦練習。1打席目で見逃し三振した後の2打席目だった。「相手投手の外角低めを意識した」。関東第一の土屋大和(3年)、谷幸之助(3年)の両右腕の投球映像を見て特長を頭に入れた。見逃し三振した同じコースを、今度は完璧にとらえた。

鈴木監督も「甲子園でもフェンスに届くでしょう」と褒めた。リハーサル時の監督対談で、鈴木監督はエース南隼人投手(3年)に次いで、「4番の中田がカギになる」とキーマンに指名した。「自分もそう思っている」と中田も受け止める。新潟大会ではチームトップの10打点。本塁打1本を含む長打4本もチーム最多タイ。「打つべき打者が1巡目でしっかり打つことが大切」。関東第一戦も、初回にチャンスが回ってきたら迷わず先制打を狙う。

宿舎では毎晩素振りを欠かさない。3日の組み合わせ抽選で関東第一との対戦が決まってからは、イメージを持って振り込んでいる。「最初からギアを上げていきたい」。初戦、1打席目からアクセル全開で挑む心構えができた。【斎藤慎一郎】