2年ぶり10度目出場の日本文理(新潟)は前回出場時に続く初戦突破はならなかった。同校の夏の甲子園通算10勝目も逃した。

理想の形で入った試合は、今までにないパターンで終えた。1回、1死満塁から5番南隼人投手(3年)の中前適時打で先制。「初回に先制したい」という鈴木崇監督(38)の思惑どおりに試合に入った。

ただ、その南がつかまった。新潟大会の5試合で2失点のエースが4回10安打6失点で降板。2番手で三塁からマウンドに上がった長谷川優也(2年)も4失点。先行はしたが、逃げ切れなかった。

長坂陽主将(3年)は「追いかける展開が多くきつかった。何とか追いつこうと必死だった」。3回に2-4と逆転された直後の4回、1番桑原大紀二塁手(2年)の中前2点適時打、続く2番長坂主将の左前適時打で5-4と、一時はリードを奪い返した。最終回も2死満塁のチャンスをつくった。最後まで粘りをみせたが、およばなかった。「逆転できると思っていたが。力の差を感じた」。長坂主将はため息まじりに言った。

▽桑原大紀二塁手(2年=4打数2安打2打点)「打ってやろうと思って打席に入った。(4回の)適時打は高めの直球。読んでいた。ここに立たなければ分からない空気が甲子園にはある。また戻ってきて、次は勝つ」

▽佐藤魁星捕手(3年=2投手をリード)「南の調子は良くなかったが、それ以上に相手の打線がうまかった。打たれたのはすべて高め。変化球に手を出さず、直球しか使えなかった。リードで自分が目いっぱいになってしまった。ここまで来られたのはチームが1つになったから。ベンチに入れなかった3年生に感謝したい」

▽小林未来雄中堅手(3年=3打数無安打)「やり切ったと言う気持ちよりも、悔しさの方が残った。昨日(9日)、(出身地長野の)飯山が負けたので、その分も頑張ろうと思っていたが…。2年生が『また戻ってきます』と言ってくれたのがうれしかった」