第92回センバツ(19日開幕、甲子園)の運営委員会が4日、大阪市内で開かれ、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、春夏の甲子園大会を通じて史上初の無観客で実施する準備に入った。開催の可否は11日の臨時運営委員会で決める。開催の場合、13日の抽選会は主催者による代理抽選となり、甲子園練習や開会式などは中止する。東北から出場する仙台育英(宮城)、鶴岡東(山形)、磐城(福島)の3校もこの日、対応に追われた。

   ◇   ◇   ◇

3年ぶり13度目出場で東北勢初の日本一に挑む仙台育英の須江航監督(36)は、前向きな日本高野連判断に感謝した。「中止というのは簡単なこと。さまざまな批判は出ると思うのですが、選手ファーストというか、子どもたちの気持ちに寄り添っていただいたことに敬意を表したい」。日本高体連主催の全国大会が中止となる中、春は昨年まで91回、夏は101回継続している日本の高校野球文化の重みも感じていた。

1日の練習を最後に2日から休校措置がとられ、野球部も練習を中止してきた。この日の報告を受け、学校側と協議。今日5日から練習を再開することを決定した。同監督は練習開始前に、世の中の現状や、開催出来る可能性への価値などを選手に伝える予定。「ある意味、国難ですが、私たちは東日本大震災という皆で難しいことを乗り越えることを経験している。センバツに向けて、粛々と準備するだけ」。苦難も力に変えるつもりだ。

当初は練習試合解禁に合わせて8日から中国・四国遠征を予定していたが、公平性を保つために高野連から各校に15日までの対外試合や遠征自粛を要請。11日に正式に開催決定となれば、16日以降は関西遠征で練習試合を重ね、本番に備える意向だ。【鎌田直秀】