県高野連は23日、静岡市内で臨時理事会を開き、今年の春季大会中止を決定した。

新型コロナウイルス感染拡大の影響を考慮し、1954年(昭29)の第1回大会から67回目にして、史上初めての決断となった。

渡辺才也理事長(富岳館高教)は「大変心苦しいのですが、感染のリスク回避は難しいと判断しました」と、険しい表情で話した。

16日の理事会では、開催を模索する議論が2時間以上行われたが結論は出ず、1週間後へと持ち越された。

だが、その間に文部科学省から春休み中の部活動自粛の要請が出されるなど、状況は好転しなかった。

19日に発表された専門家会議の提言をもとにした対策方法も検討されたが、集団感染のリスクを排除するには至らなかった。

秋の成績を基準に県大会を行うとする他県の対応についても検討材料として挙がったが、平等に各チームに公式戦を経験させる方針から却下された。

これにより、新3年生の残る公式戦の機会は、夏の選手権大会のみ。現時点で開催については不透明だが、「何とかやらせてあげたい」と渡辺理事長。

状況を注視しながら、5月以降に行われる予定の大会運営委員会で慎重に話し合われる。【河合萌彦】

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県高野連は、この日のうちに加盟112校へ中止に関する通知文を送付した。

「選手の健康、安全を最優先。また、症状が軽い高校生が感染源となることを回避したい」などとする内容。

「16日に県高校教育課、健康体育課から発せられた春休み中の対応についての通知と、17日に文科省から出された春休み中の部活動自粛の要請により、大会に向けた十分な準備ができないこと」、「20日にスポーツ庁政策課から発せられた『各種スポーツイベント開催に関する考え方について』で求められる対応策について、実施方法を検討した結果、十分なリスク排除ができないという結論に達した」と列挙している。