第102回全国高校野球選手権大会(8月10日開幕、甲子園)が戦後初めて中止されることが15日、分かった。無観客での開催も検討されたが、8都道府県で新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言が続いており、8月上旬までに49代表がそろうのは困難な上、たとえそろっても全国大会の開催には移動、宿泊に感染リスクが伴うと判断された。日本高野連が20日に運営委員会を開き、中止を発表する見込みだ。

<過去の選手権大会中止>

◆1918年(大7)第4回大会 富山県で起きた米価急騰に抗議する暴動(米騒動)が全国へ広まり、8月16日に中止決定。同9日に全国14代表が出そろい、慶応普通部(東京)など代表校は大阪入り。13日には組み合わせ抽選が行われた。一時は大会延期とされたが、事態は好転せず中止になった。

◆41年(昭16)第27回大会 戦局が深刻化し、文部省次官通達でスポーツの全国的な催しが中止された。地方大会は6月14日の鹿児島大会から始まったが、一部の県は10月に開催したり途中で打ち切った。42年から45年までは4年間中断。なお、42年には文部省と外郭団体の大日本学徒体育振興会が主催し、正式な大会記録とせず16代表で争う「幻の大会」を開催して徳島商が優勝している。