常総学院(茨城)の新監督に、投手コーチを務める元プロ野球の島田直也氏(50)が就任し、26日から指導を始めた。佐々木力監督(54)は退任し、今後は総括責任者を務める。

名門復活を目指す。島田氏は87年春、エースとして常総学院を春夏通じて初の甲子園に導いた。夏は準優勝し、躍進の立役者に。同校はその後、春夏合わせて優勝2回、準優勝2回を誇る名門校に成長した。しかし、近年は優勝候補と期待されながらも、甲子園出場を逃してきた。今夏の茨城大会は24日、3回戦で多賀に2-3で敗れていた。

そんな中で白羽の矢が立ったのがOBで投手コーチも務める島田氏だ。OBが同校監督を務めるのは初めて。学校の歴史を築いたレジェンドに復活の大役が任された。今年、148キロ右腕として注目を浴びたエース一條力真投手(3年)は「島田コーチに体重移動を教えてもらい、力のある真っすぐを投げられるようになった」と成長。早くも、その手腕を発揮していた。

監督初陣は8月9日、「SSコンビ対決」がデビュー戦となる。元日本ハムの芝草宇宙監督(49)率いる帝京長岡(新潟)を招き、練習試合を行う予定。ともに87年の春、夏の甲子園に出場。同期で日本ハムに入団し「SSコンビ」として女性人気を集めた。これからは、同じ高校野球の舞台で頂点を争うことになる。

3月のコーチ就任時、選手たちには「全国制覇を目指して頑張りましょう」とあいさつした。常総学院のレジェンドが、名門復活へ導く。

 

◆島田直也(しまだ・なおや)1970年(昭45)3月17日、千葉県柏市生まれ。常総学院から87年ドラフト外で日本ハムに入団。大洋、ヤクルト、近鉄をへて03年引退。通算419試合39勝38敗、防御率3・69。97年には最優秀中継ぎ投手を受賞。引退後はBC・信濃で投手コーチ、四国IL・徳島で投手コーチと監督、15年から17年までDeNAで2軍投手コーチを務めた。175センチ、78キロ。右投げ右打ち。