関大北陽が危なげなく、5回戦に進んだ。3回に2点を先制し、5、6、8回と小刻みに加点。5打数4安打2打点2得点と得点に絡みまくった1番坂本壮梧外野手(3年)は「チームで全力でつないでいこう、という思いが形になりました」と満足そう。投げては昨夏エースで、恥骨結合炎に苦しんできた同11番の右腕、坂本雅治(3年)が6回1失点で流れを作った。

春夏通算14回の甲子園出場を誇る伝統校だが、現チームにプロ注目の“大物”はいない。大阪桐蔭、履正社の“2強”に進まなかった、または進めなかったメンバーばかり。「あの2つに勝って甲子園に、という気持ちで、みんな、やってきましたから」と坂本壮は言う。

元オリックスで現阪神打撃投手の嘉勢敏弘氏と主軸を打ち、94年春夏と甲子園に出場した辻本忠監督(43)は「今日はベストゲーム。投手も野手もすばらしかったですね」。一丸ムードが高まる教え子たちを褒めたたえた。