高崎健康福祉大高崎(群馬)が因縁の相手・前橋育英を下し、2年ぶりの決勝進出を決めた。

1点リードで迎えた5回、プロ注目のエース下慎之介投手(3年)を投入した。テンポよく遊ゴロ、中飛、見逃し三振で抑え、球場の雰囲気をがらりと変えた。下が「最初から飛ばしました」と話す通り、守りから流れを引き寄せた。打線も下の投球に呼応するようにリズムに乗り、点を重ねた。9回は2点差まで迫られるも「おりゃあ!」と声を出しながら気迫の投球で逃げ切りに成功した。

前橋育英には18年まで3年連続夏の決勝で敗れていた。夏に限れば14年以来6年ぶりの勝利。下は「ここしばらく勝てていなかった宿敵。他の相手以上に思い入れが強い試合になった」と話した。青柳博文監督(48)も「前橋育英とは分が悪かった。今日も簡単には勝たせてくれなかった。最後は下が粘り強く投げてくれた。なんとか勝てて良かった」と安堵(あんど)の表情を見せた。

決勝の相手は昨秋県王者の桐生第一。苦手にしていた宿敵を倒した勢いに乗って、5年ぶりの群馬王者の座を狙う。【小早川宗一郎】