春のセンバツにつながる秋季高校野球新潟県大会(6日~23日、三条パール金属スタジアムほか)の組み合わせが1日、決定した。日本の高校野球にあこがれ、台湾から帝京長岡へ留学した田耿豪(ティ・エンサラ)投手(1年)と江柏■(草カンムリに威)(ジャン・ボーウェイ)外野手(1年)がデビューに備えている。チームは9日、糸魚川と高田商・糸魚川白嶺の合同チームの勝者と対戦、甲子園出場に向けた第1歩を踏み出す。

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田と江の目標ははっきりしている。「試合に出て勝つ。春のセンバツに出る」。甲子園に挑戦できる最初のチャンス、秋季大会を楽しみにしている。

右上手の田はカーブ、フォークなど変化球の制球力が武器。最速130キロほどの直球は「来年には140キロを出す」と球速アップが今後の課題だ。183センチの江は「まだ本塁打を打ったことがないので、公式戦で打つ」。粗削りだが、多少詰まっても外野に運ぶパワーの持ち主だ。

2人は独自大会の県高校夏季大会でともに登録メンバー入り。田は出番がなかったが、江は2回戦の加茂農林戦で途中から一塁の守備についた。芝草宇宙監督(51)が「2人とも自主練習やグラウンド整備で、いちばん最後まで残ってやっている」と言うように、野球にひたむきに取り組む。2人1部屋の寮生活では、それぞれ日本人のチームメートと同部屋。チームメートを相手に日本語の勉強をするほか、動画を見ながら野球の研究に没頭する。

子どものころから夏の甲子園の動画を見るのが好きだった。「(09年に準優勝した)日本文理の試合に感動した」(田)。「決勝戦の雰囲気がすごかった」(江)。繰り返し映像を見るたびに甲子園へのあこがれが強くなった。現役時代、台湾プロ野球の興農ブルズ(現富邦ガーディアンズ)でプレー経験のある芝草監督の知人を介して、帝京長岡への留学を決めた。

初めての異国での生活だが、「チームメートもクラスメートもみんな優しいので不安はないです」とそろって笑顔を見せる。「みんなと一緒に甲子園に行きたい」。秋季大会、その思いをグラウンドで形にする。【斎藤慎一郎】

 

◆田耿豪(ティ・エンサラ)2004年1月28日生まれ、台湾出身。中正小3年から野球を始める。化仁国民中では投手と内野手で3年のときに全国大会出場。173センチ、73キロ。右投げ右打ち。

◆江柏■(ジャン・ボーウェイ)2004年5月18日生まれ、台湾出身。中正小4年から野球を始める。化仁国民中では投手と外野手で、3年のときに全国大会に出場。183センチ、77キロ。右投げ左打ち。

※■は草カンムリに威