夏の覇者・中越が新潟産大付に3-2で逆転勝ち。背番号6の先発・渡辺恵多(2年)が、8安打を浴びながらも2失点で切り抜け、公式戦初完投を果たした。

   ◇   ◇   ◇

渡辺恵は無表情のままマウンドで耐え抜いた。初回には二塁けん制悪送球などミスが重なり、早くも1点を失う。だが、その後の7イニングは粘りの投球で無失点。4回1死満塁のピンチは遊ゴロ併殺に仕留め、7回2死満塁の場面でも得点を許さなかった。「我慢して味方に点が入るまで抑え、点が入ったらまたギアを上げようと思った」。最終回にも1点を失ったが、勝利の瞬間には笑顔がこぼれた。

「投手は楽しい」と言う背番号6は公式戦初完投。8安打を浴び2点を失ったが、スライダーが冴え、12三振を奪う力投を見せた。4番打者としても奮闘。2-1の7回2死一、三塁の場面では左前適時打を放ち、決勝点となる3点目をたたき出した。「もう1点取れば、楽に投げられると思った」。自分のバットで初完投勝利を決定づけた。

新潟産大付戦は2回戦屈指の好カード。先制された本田仁哉監督(44)は「点を取れなくても、走者を背負っても『想定内、想定内』と声をかけてやれ」とナインに指示していた。そんな苦戦を強いられたゲームで、指揮官は「いい意味で淡々と集中して投げ、9回トータルで勝負してくれた」と渡辺恵の投球を勝因に上げた。

夏の大会の決勝戦を中越は3年生だけで戦い、見事に制した。準決勝上越戦(7○0)の初回、渡辺恵は3点本塁打を放つ活躍を見せたが、決勝はベンチでサポート役に徹した。しかし、代替わりした今秋は、主役の1人だ。渡辺恵は「明治神宮大会(11月)に出たい」と、北信越大会優勝に目標を定めた。【涌井幹雄】