東北は仙台三を10-3の7回コールドで下し、5年ぶりに4強進出を果たした。

1回1死一、二塁で、背番号19の4番伊藤千浩(かずひろ)外野手(1年)が先制の適時二塁打を放ち「自分はチャンスだと燃えるタイプ。『打つぞ』という気持ちだった」と気合を込め、結果を出した。直後に相手投手が三塁けん制を悪送球し、二塁走者の伊藤が3点目のホームを踏んだ。

殊勲の1年生4番を、富沢清徳監督(53)は「4番の仕事をしてくれた。初回に点が入るか入らないかで全く違うので、伊藤の働きは助かりました」と評価する。身長186センチの体格も魅力で、4番抜てきの理由を「実力もですし、将来性もある。4番の実力はまだまだですが、4番目の打者として役割を果たしている」と、主軸として期待を寄せている。

3歳上の兄康人さんも東北でプレー。兄弟そろって名門のユニホームに袖を通すのが夢だった。5年ぶりの東北大会出場を懸け、準決勝(26日)は古川学園と対戦するが「チャンスで打席に入ったら、自分が走者を絶対にかえす気持ちで戦いたい」。1年生4番が11年以来のセンバツ出場に導く。【相沢孔志】