来春センバツへの重要な参考資料となる第73回秋季高校野球東海大会が、24日に三重県で開幕。3年ぶり10度目出場の常葉大菊川(静岡)は、1回戦で海星(三重3位)と対戦。県大会で4番を務めた赤井宏輔内野手(2年)が、自慢のフルスイングで得点源となり、チームを13年以来、8年ぶりのセンバツ出場に導く。

常葉大菊川の赤井は、全5試合で4番に座った県大会を悔しそうに振り返った。「チャンスで結果が出ず、チームに貢献できなかった。自分の力のなさを感じました」。1回戦・駿河総合戦の3回に左越えソロを放ったが、大会中の打点はこの1点のみ。主軸の働きができず「不本意だった」と唇をかんだ。

藤枝明誠との決勝では4打数無安打。チームも大敗(2●16)した。試合後のミーティングでは、控え選手らと激しく意見をぶつけ合った。話し合いを終え、赤井は「私生活から意識が足りなかった。もう1度、自分が何をすべきかを考えて、野球に取り組む姿勢を変えようと感じました」。

16年夏、常葉学園菊川(当時)の主将だった兄啓輔(現亜大4年)の応援で甲子園を訪れた。聖地でプレーする兄の姿に「初めてかっこよく見えた」と笑った。現在も連絡を取り合い、打撃に関する助言を受けている。「フォームを見せて『下半身主導で打て』と言われました。それから強く意識しています」と、その存在の大きさを語った。

東海大会では、初戦を突破すると2回戦で優勝候補の中京大中京(愛知)と対する。同校のエースで来秋ドラフト候補・畔柳亨丞(くろやなぎ・きょうすけ、2年)とはリトル時代の中1夏に対戦し、中越え本塁打を放った。当時の再現を狙いつつ、「自分たちの野球を貫けば良い結果になると思う。センバツ切符をとりたい」と目を輝かせた。【河合萌彦】(おわり)

◆赤井宏輔(あかい・こうすけ)2003年(平15)7月21日、浜松市生まれ。小2から浜松ジャガーズで野球を始めた。小4から浜松南リトルへ移り、中1夏に全国大会出場。浜松南シニアでは、3番三塁手で3年春に全国8強に貢献。常葉大菊川高では、今秋からメンバー入り。右投げ右打ち。177センチ、79キロ。血液型B。家族は両親と兄2人。