常総学院(茨城)の背番号10、大川慈英投手(2年)が、東海大甲府打線を相手に1安打無四球の完封勝利を飾った。打線も爆発し、チームは6回コールドで決勝進出を決めた。

柔らかい腕をしならせ、この日の最速145キロをマークした真っすぐを軸に、制球よく打たせてとった。凡打の山を築き、大川は「今日は真っすぐで押す投球を意識しながら、変化球もしっかり低めを意識して投げられた」と胸を張った。

準々決勝の木更津総合戦では最終回の9回、先発のエース秋本璃空投手(2年)からマウンドを託されたが、2安打1失点。「真っすぐがシュートして打たれた。今日は頭の中でイメージして投げられた」と修正。腕をしっかり振り、自信を持って投げ込んだ。「今まで秋本におんぶに抱っこだった。秋本だけに重荷を背負わせないように。自分もチームの力になりたい」。試合を1人で投げ抜き、その言葉を証明。島田直也監督(51)は「大川はリズムをつくって打線につなげる役割を果たしてくれた。もっとできる投手。でも、今日は言うことなしです」と合格点を与えた。

いつまでも2番手投手とは言わせない。大川は「この冬で成長して、最終的には1番を取りたいです」と力を込めた。大きな自信を胸に、大川はさらなる飛躍を誓った。