来春のセンバツ選考の重要参考資料となる近畿大会決勝は、智弁学園(奈良2位)が大阪桐蔭(大阪1位)を破り、11年以来9年ぶりの近畿王者に輝いた。

小坂将商監督(43)にとって、大阪桐蔭に勝利するのは06年の監督就任以来初めてのこと。「(大阪桐蔭に)5回やって5回負けているので。試合前に『なんとか勝たせてくれ』と。生徒たちが一生懸命やってくれた。優勝できてうれしいです」と就任14年目でつかんだ“1勝”にはにかんだ。

試合は智弁学園が初回2死二、三塁から、5番三垣飛馬内野手(2年)の左越え2点適時打で先制。3回には4番山下陽輔内野手(2年)の今大会2本目となる左中間ソロで加点した。

3、4回に1点ずつ返され、5回には2死満塁とされたが、先発したエース左腕・西村王雅投手(2年)が中飛に抑えてピンチを脱出。6回にも相手投手の暴投と捕逸で無死三塁とし、犠飛で加点。7回には相手の最速154キロ右腕・関戸康介投手(2年)から、チームの主砲・前川右京外野手(2年)が高校通算29本目となる右超えソロ。指揮官も「前川の1点が大きかった」と称賛の1発が、終盤の決定打となった。

投げてはエース左腕の西村が、9回9安打3失点と粘投。打線も相手の3投手から12安打を放ち、打力で押し切った。

大阪桐蔭は9安打を放ちながらも、決め手に欠いた。昨秋に続いて2年連続で決勝に進出しながら、準優勝に終わった。