大阪府高野連は12日、来春の第93回全国選抜高校野球大会(21年3月19日開幕・甲子園)の21世紀枠候補として、山田を推薦すると発表した。84年創設の公立高校で、同校の推薦は初。

山田は今秋の大阪大会3位決定戦で、19年夏全国制覇の履正社を2-1で破った。ほかにも浪速、上宮、大産大付と強豪私立を撃破。公立高校では94年市岡以来、26年ぶりに出場した近畿大会では初戦で敗退したが、甲子園春夏103勝を誇る龍谷大平安(京都1位)に1-4と善戦した。

推薦理由には戦績に加え、厳しい練習環境の克服も挙げられた。65メートル×90メートルのグラウンドは基本3分割で、サッカー部など7クラブで共有。内野ノックしかできない狭さを効率的な練習でカバーする。金子恭平監督(41)は「大阪にたくさんチームがある中、選んでいただきありがたい。子どもたちには評価は他人がするものと言っているので、自信に励みになります」と喜んだ。部員は33人。秋の自信を胸に、現在は課題の守備などを鍛えている。

今後は近畿地区6校から絞られた1校が12月11日に発表される。その後、来年1月29日の選考会で全国9地区から3校(西日本1、東日本1、地域関係なし1)が選ばれる。大阪から21世紀枠で出場した高校がないが、山田が歴史の扉をこじ開けるか。【石橋隆雄】

◆山田 1984年(昭59)創立の府立校。野球部も同年創部。部員33人(選手31、マネジャー2)。今秋までの過去最高成績は春季大阪大会4強。普通科のみで生徒数は1104人(女子611人)。陸上部、ダンス部なども全国大会に出場している。主なOBに、漫才コンビ・フットボールアワーの後藤輝基、プロバスケットボール選手の今野翔太ら。所在地は吹田市山田東3の28の1。佐々木啓校長(59)

◆近畿その他の5府県の21世紀枠推薦校 滋賀=草津(秋県8強)、京都=綾部(秋府8強)、兵庫=東播磨(秋県2位、近畿大会1回戦敗退)、奈良=畝傍(うねび=県3位)、和歌山=未発表。山田(大阪)も含め、現在の5校はすべて公立。