下北半島の港町から、北の大地へ羽ばたく。大湊・東海林涼外野手(3年)が来季から、独立リーグの北海道ベースボールリーグ(HBL)に参入する石狩レッドフェニックスに入団する。今夏の県独自大会では全3試合に「4番」で先発出場し、毎試合安打を放った。持ち前の打撃に加え、走塁、守備すべてのレベルアップを図り、数年後のNPB入りを目指す。

ハードな道を選んだ。東海林は「最初は大学で野球を続けようと思っていたけど、お金がかかる。自分でギリギリ生活できるくらい稼いで、野球に集中できる独立リーグでプレーしたかった」。9月5日に行われた石狩のトライアウトに参加。前日4日にフェリーで移動予定も、悪天候のため欠航に。急きょ新幹線と電車を乗り継ぎ、片道7時間移動と出ばなをくじかれたが、テストではアピールに成功し見事、合格を果たした。北海道で寮生活を送ることになるが「不安はない、楽しみです」と表情は希望にあふれている。

ケガに泣かされた高校生活だった。入学当初から非凡な打撃センスを持っていたが、1年の秋に左手首の三角線維軟骨複合体を損傷。2年の秋には恥骨の疲労骨折と満足なプレーができなかった。「ケガが多くて、我慢の時期を過ごした。今は万全な状態。4、5年でNPB入りを目指し、無理ならば野球を辞めます」と覚悟を持って臨む。

バットが木製に変わることで「力いっぱい振っても、芯で捉えないと飛ばない。フォームを一から見直している」と試行錯誤を繰り返す最中だ。好きな言葉は「勇往邁進(ゆうもうまいしん)」。勇ましく、夢を追いかける。【佐藤究】