第93回選抜高校野球大会(3月19日から13日間、甲子園)の出場32校(一般選考枠28校、21世紀枠4校)を決定する選考会が29日、リモートで開かれる。午後3時30分に21世紀枠、続いて一般選考の出場校が発表される。関東・東京の6校目を目指す東海大相模(神奈川)のエース・石田隼都投手(2年)は選出を信じ練習を重ねてきた。エースとして成長を遂げた冬。自信を持って出場決定の朗報を待つ。

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「1%でも出場の可能性があるなら、消すことはない。できることがあるはずだ」。石田は門馬敬治監督(51)の、この言葉を信じ練習に没頭してきた。

成長した姿を全国で披露する。この冬は、フォーム修正に取り組んだ。下半身の体重移動を意識し、リリースの瞬間で力を入れる。体重は秋から2キロ増の75キロに。トレーニングと投げ込みで「キレはよくなっている」と手応えをつかんだ。

秋季関東大会の悔しさを糧にした。準々決勝で東海大甲府に9回逆転サヨナラ負け。「詰めの甘さを感じた。エースとして勝ちきれなかった」と自分を責めたが、「負けの事実は変えられない。選ばれたら、でなく、選ばれると信じて練習しました」。気持ちを切り替え前を向いた。練習に取り組む姿勢から変え、どんなメニューでも一切手を抜かなかった。ダッシュでは1本目、そして最後の1本も集中力を欠かさない。心身ともに成長した。

センバツの先には、夏も見据える。門馬監督は「3月に合わせ練習を積めば、夏にも向かえる」と選手たちに期待をこめる。

石田の中学時代の夢は甲子園出場。19年夏、そして昨夏の交流戦でかなえ、夢は目標に変わった。「甲子園はテレビの中のものじゃなく、頑張れば行けるところに変わった。でも、まだ勝てていない。次は絶対に勝ちたい」。3月、甲子園のマウントに立つイメージはできている。【保坂淑子】