昨秋近畿王者の智弁学園の主砲前川(まえがわ)右京外野手(2年)が、16年春以来の日本一を誓った。今秋ドラフト候補で高校通算30本塁打の左の大砲は「目標は日本一なので、やっとスタートラインに立てた」とセンバツ出場を喜んだ。

大会ではドラフト候補投手たちとの再戦を望んだ。昨秋の奈良大会決勝では天理の達孝太投手(2年)から本塁打を放つも、準優勝。「夏も出るには天理に勝たないといけない」。秋季近畿大会決勝では、大阪桐蔭の最速154キロ右腕関戸康介投手(2年)から、わかさスタジアム京都の右翼場外へアーチをかけた。それでも準決勝で市和歌山の小園健太投手(2年)に2打数無安打に抑えられ「小園投手を打ちたい。いい投手はワクワクする」と甲子園の舞台で打ち砕くことを思い描いた。

今年はチームとして例年より多い毎日1200スイングを振り込むが、前川はその後の個人練習でさらに3時間続けている。12月にはティー打撃の打球速度の測定で158キロを計測。OBで巨人の4番を打つ岡本も昨年4月に同様に計測し、140キロ台後半だった。先輩を超える破壊力を甲子園でも発揮する。

16年春の優勝はテレビで見ていた。小坂将商監督(43)が「選手個人の力はその時よりも今年の方がある」と自信を持つ。4番で主将の山下陽輔内野手(2年)、左腕エース西村王雅投手(2年)、185センチの長身右腕・小畠一心投手(2年)と昨年から主力のドラフト候補選手も多く、5年ぶりの日本一も夢ではない。【石橋隆雄】