第103回全国高校野球福岡大会の組み合わせ抽選会が18日、福岡・飯塚市内で行われた。公立の雄、福岡はドラフト候補で最速149キロ右腕・井崎燦志郎(さんしろう)投手(3年)が初優勝へけん引する。昨夏代替の福岡地区大会決勝でオリックス1位の福岡大大濠・山下舜平大投手(18)を攻略し優勝した県立進学校が、今年も旋風を起こす。V候補の福岡大大濠は玄洋、九州国際大付は八幡南との初戦が決まった。

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NPB11球団が注目する188センチの文武両道エースが甲子園初出場を目指す。井崎は「体重が増え、真っすぐが強くなってきた。真っすぐで押し、空振りを取りたい。変化球も使い、最少失点に抑え甲子園に行きたいです」と意気込んだ。「太陽のように周りを照らしなさい」との願いで親から名づけられた名のごとく“燦々”と、最後の夏に輝く決意だ。

九大に100人の合格者を出すなどの県内屈指の進学校にあって、元々は筑波大、早大、慶大などに進み野球を続ける考えがあったが、プロ志望に変わった。ベンチプレスで90キロを上げる筋力トレーニングなどの成果で、体重は入学時の68キロから86キロにパワーアップ。4月下旬の練習試合で最速149キロを記録し、ドラフト候補に名乗りを上げた。

今年も「ジャイアントキリング」の立役者となり、目標のプロ入りへ弾みをつける。昨夏代替大会優勝でプロへの関心が高まったという。福岡大大濠・山下の剛球に4打数無安打だったが「真っすぐだけなら負けていないと思った。山下さんと対戦してプロが身近になり目指したいと思うようになった」。さらなる高みへ、初戦の7月8日筑紫台戦からエンジン全開で挑む。【菊川光一】

◆井崎燦志郎(いざき・さんしろう)2004年(平16)2月9日生まれ、福岡市出身。野球は小学4年時から軟式の東住吉ライオンズで始める。住吉中では福岡中央ボーイズ。福岡高では1年秋からベンチ入り。昨秋からエース。目標とする選手はソフトバンク千賀滉大。50メートル走6秒2。遠投110メートル。変化球はフォーク、スライダー、カーブ。188センチ、86キロ。右投げ右打ち