高校野球佐賀大会は21日、佐賀県立で準々決勝が行われ、5年ぶりに夏の甲子園出場を目指す唐津商が伊万里を6-3で下し、ベスト4へ進出した。エースで4番の原丈太郎投手(3年)が4回に決勝ソロ。8回には2番手で救援登板し、2回無安打5奪三振の快投を見せた。エンゼルス大谷翔平投手(27)の打撃を参考にする原が、本家さながらの二刀流で勝利に貢献した。佐賀北は三養基にサヨナラ勝ちした。

「大谷打法」で快音を残した。同点の4回無死走者なし。唐津商・原は、右肘をたたみ、左肘を伸ばして高めに浮いたスライダーを振り切った。右翼スタンドへ高校1号となる決勝ソロ。「2ボール、ノーストライクだったので、何がきても思いきり振ろうと思った。1号が出てうれしかったです」。記念の一打で、チームをベスト4に導いた。

参考にしている選手についは「身長とか似ているので、大谷選手をよく見てます」と明かした。

「フォロースルーとかまねしてます。大谷選手は打ち終わりに、右肘が曲がって左肘が伸びている。それを意識してから引っ張りが多くなり、打球が伸びるようになりました」。

今春から動画などで大谷を教科書にした。今季メジャーで日本人最多の34本塁打を放っている二刀流を研究してきた成果だ。「いやもう、大谷選手は雲の上の存在なので…すごいとしか言いようがないです」。

投げては8回から2番手で登板。187センチの長身から投げおろす左腕は、最速136キロの直球を武器に、2回無安打5奪三振の快投。「(投球を)思いっきりやっている結果がバッティングにもつながっていると思います」。大谷ばりの二刀流の活躍だった。

スタンドには弟の豪士郎くん(12)がカメラを持って観戦に訪れていた。試合後はホームランボールを豪士郎くんから受け取り「弟の前で打ててよかったです」と照れ笑い。23日の準決勝では、春季九州大会に出場した東明館と激突。16年以来5年ぶり6度目の夏制覇へ向け、原が投打で引っ張る。【只松憲】

◆原丈太郎(はら・じょうたろう)2003年(平15)10月2日、佐賀県唐津市生まれ。厳木(きゅうらぎ)小2年の時に厳木少年野球クラブで野球を始める。厳木中では硬式の糸島ボーイズに所属。唐津商では1年秋からベンチ入り。足のサイズは30センチ。50メートル走7・0秒。遠投100メートル。好きな食べ物はティラミス。187センチ、85キロ。左投げ左打ち。