第103回全国高校野球選手権大会が10日、甲子園球場で開幕する。昨年はコロナ禍で中止となり、2年ぶりの開催。開幕試合では米子東(鳥取)が史上初の4元号勝利を目指し、第2試合では夏初出場の新田(愛媛)の「四刀流」古和田大耀捕手(3年)が登場する。開会式は簡素化して行われ、選手宣誓は小松大谷(石川)の木下仁緒(にお)主将(3年)が務める。当初9日だった開幕は、台風9号の影響で1日順延に。この日は大会第1日に登場する6校が甲子園の室内練習場で調整した。

米子東が大正、昭和、平成、令和と4元号での甲子園勝利に挑戦する。第1回大会から地方大会に出場する「皆勤校」らしく、紙本庸由監督(40)は「伝統の上に自分たちは野球ができていると普段から思っている。令和での勝利を目指したい」と誓った。19年夏は智弁和歌山に敗れており、2度目のチャレンジだ。

打撃が好調で、チーム打率4割3分4厘は出場49校で3番目。4番の太田舷暉外野手(2年)は鳥取大会で、準決勝での満塁弾を含む3本塁打など49校最多タイの5本塁打、同最多の17打点を誇る。主将の長尾泰成内野手(3年)は「1年間甲子園で勝つために野球をやってきて、それがいよいよできる。全員で戦っていきたい」と意気込んだ。

東京五輪では、ボクシング女子フェザー級で米子市出身の入江聖奈が鳥取県出身者初の金メダルを獲得した。長尾主将は「自分たちも甲子園で勝つことが一番の恩返しになると思う。しっかり勝って希望や感動を与えられるようになりたい」と刺激を受けていた。【三宅ひとみ】

◆4元号勝利 大正、昭和、平成の3元号で全国大会勝利を挙げた学校は15校あるが、どこも令和では未勝利。今大会では米子東、静岡、松商学園、北海、高松商の5校が4元号勝利に挑む。甲子園は令和に入り19年夏、21年春と2大会を開催しているが、4元号勝利をかけた学校は過去5校がすべて敗れている。