第103回全国高校野球選手権大会の開会式が10日、甲子園で行われた。選手宣誓は26校の立候補から抽選で決まった小松大谷(石川)の木下仁緒(にお)主将(3年)が務めた。青空ものぞく甲子園の空に宣誓の声を響かせた。
「2年ぶりの夏の甲子園。世界に広がる困難のために、普段の生活すらできなくなった人が多くいます。私たちも学校生活、部活動が2年前とはまったく違ったものとなりました。1年前、甲子園という夢がなくなり、泣き崩れる先輩たちの姿がありました。しかし、私たちはくじけませんでした。『思いを形に』。その言葉を胸に、自分の目指すべき道を定め、友の笑顔に励まされ、家族の深い愛情に包まれ、世界のアスリートから刺激を受け、一歩一歩歩んできました。人々に夢を追いかけることの素晴らしさを思い出してもらうために、気力体力を尽くしたプレーで、この夢の甲子園で高校球児の誠の姿を見せることを誓います」
言葉は部員から集め、国語科の教諭と構成して宣誓文を作ったという。「バスの中も含めて100回くらい練習しました。今までで一番の出来だった。ホッとした気持ちが強いです」と笑顔で振り返った。
3日に選手宣誓が決まったときには「まさか自分が当たるとは思っていなかったのでびっくり」と驚きの表情だったが、開会式本番では堂々と大役を務めあげた。