エースの務めを果たした。4-2の4回無死一、二塁。智弁和歌山・中西聖輝投手(3年)が2番手で上がった。

「もう中西しかいない。同点にいかれると、先攻なので後半苦しくなる。ここで勝負をかけよう」という中谷仁監督(42)の思いを受け止めた。犠打で二、三塁とされ、一打同点の場面も、連続空振り三振で後続を断った。9回まで0を重ねた最速147キロ右腕は日本一投手となった。

理想のエース像を問われ「チームの勝ちにどれだけ貢献できるか」と言った。大会初登板の高松商戦は9回2死から2失点。あと1人で降板し、中谷監督から「自分のために野球をするんじゃない」と厳しく言われた。決勝で、まさにエースの働き。試合後はプロ志望を明言した。指導してくれたイチロー氏にもらった「ずっと見ているからね」の言葉が励みになった。「『ちゃんとできました』と伝えたいです」と笑った。