日本高野連は5日、投手保護などを目的として現在より反発力の低い金属バットの新基準を作るための「実打撃試験」を行った。

大阪・摂津市の関大北陽グラウンドで3年生部員が、現在より直径を3ミリ細くした64ミリなど4種類のバットを用い、スイングと打球速度、飛距離などを測定した。

19年夏の甲子園大会で投手が打球を顔面に受けて骨折し、投手の安全を確保するためバットの性能見直しが検討されている。高野連の田名部和裕顧問(75)は「本塁打数よりも投手への打球速度での安全」「投打のバランス。投手の球数制限もあるし次のステップになる」などと説明。集めたデータの精査や理事会などでの議論があるとした上で、「早ければ22年度から導入を始め、24年度から完全移行できれば」との考えを示した。

新基準バットは金属の厚みを3・8ミリから2ミリ刻みで4・4ミリまで4種類を用いた。ほかに現基準の金属バット、木製バット、米国製の金属バットを加えて全7種類で比較。重さ910グラムや長さ83センチはすべて同じにそろえた。試打した山田悠平内野手(3年)は「打球に伸びがなくてはじき方が硬い。振り抜きやすいバッティングがなかった。コンパクトに振るのが一番いいかな」と感想を述べた。

木製バットの使用に関して田名部顧問は「コスト面から無理ですね。目標はあくまで木のバットに近づけること」と語った。【林亮佑】