藤代が両校合わせて28安打20点の打撃戦を制し、4強入りを決めた。決着をつけたのは、6番後藤将外野手(2年)が放った走者一掃の適時三塁打だった。

3点リードの7回2死満塁、菊地一郎監督(51)が発した「思い切って引っ張れ」の一声に応じるように、右打者の後藤は甘く入ったスライダーを左中間へ。前進守備の外野手を越える大飛球に、走者は次々と生還。ベンチとスタンドは大きく盛り上がった。

奮闘するエースを助けたかった。先発の新関颯太投手(2年)が、9回を15安打12奪三振9失点、180球完投と粘り強い投球をみせていた。後藤は「ピンチの場面で三振を奪う姿を見て、負担を減らしてあげたいと思いました」と、エースから勇気をもらって放った一打だった。

平日の試合開催だったが、スタンドには父親が応援に来ていた。「仕事を休んでまで見に来てくれる。一本打てて良かったです」と家族へ贈った一本でもあった。

次戦は関東大会出場をかけ、下妻一と対戦する。「新関をしっかり支えられるように、頑張りたいです」と力強く締めた。