日大三島(静岡1位)が38年ぶりのセンバツ出場に“王手”を懸けた。初戦の2回戦で津商(三重2位)に勝利。先発右腕の松永陽登(はると、2年)が投打で活躍した。

日大三島3点リードの最終回2死。最後の打者を空振り三振に切った松永が、雄たけびを上げた。託された初戦のマウンドを最後まで守り抜いた右腕は、笑顔で整列に加わる。「うれしかった」。試合後は、短い言葉に実感を込めた。

「エースで4番」。文字通りの活躍で主役となった。「単打はしょうがない。走者をためられたところでいかに抑えるか」。“本業”では要所を締めた。10安打を浴びながらも、勝負どころでは丁寧にコーナーを突き、2失点。119球の力投で反撃を断った。

打っても、先制を許して迎えた1回裏。1死一、二塁から右翼線へ同点打を放った。1-1の5回裏1死一、三塁の好機では、低めの直球に食らい付いた。打球は中堅手の頭上を越え、決勝の2点二塁打となった。「チャンスで回してくれた。絶対に打ってかえそうと思った」。バットでも、要所で快音を響かせた。

東海大会からのセンバツ出場枠は「2」。11月6日の準決勝・大垣日大(岐阜2位)戦に勝てば、38年ぶりとなる春の甲子園が当確となる。入学当時は「夢のまた先」だった憧れの舞台まで、あと1勝。松永は「次も投打で引っ張れるように、1週間全力でやっていきたい」と気を引き締めた。【前田和哉】