日大三島(静岡1位)が、秋春通じて初の東海王者に輝いた。県勢対決となった決勝で、聖隷クリストファー(静岡2位)を6-3の逆転で下した。

2点を追う4回裏、3番池口奏(かなで)内野手(1年)が逆転打。エースで4番の松永陽登(はると、2年)も投打で活躍を見せるなど、チームの主軸が存在感を示した。日大三島は、今月20日開幕の明治神宮大会(東京)に出場する。

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マウンド上に、日大三島の歓喜の輪が広がった。県大会決勝のリベンジを狙った聖隷を逆転で退け、初優勝を飾った。昨年4月に就任した永田裕治監督(58)は「チームが発足した当初は東海優勝どころか、県大会優勝も想定していなかった。子どもたちの力はすごい」と笑顔。日々、めまぐるしい成長を見せた教え子たちの手で宙を舞った。

0-2の4回裏。1点差とし、なおも1死満塁の好機で3番池口が打席へ。1ボールからの2球目。高めのチェンジアップを捉えると、打球は中堅手の前に転がった。逆転の2点適時打。「県王者として負けられない気持ちが強かった。良い場面で打てて良かった」。待望の今大会初打点で、試合をひっくり返した。

“仕上げ”は大黒柱の松永だった。4-3の6回裏2死二、三塁から、右前にダメ押しの2点適時打を放つ。投げても3回途中から2番手として登板し、5安打1失点。169球を投げ抜いた6日の準決勝・大垣日大(岐阜2位)戦の疲労を感じさせない力投で、リードを守り抜いた。

東海王者として臨む明治神宮大会では、22日の初戦(2回戦)で北海道代表のクラーク記念国際-九州代表の勝者と対する。報徳学園(兵庫)を率いて01年に優勝した永田監督は「完全に(優勝を)取りにいった報徳の時とは違い、挑戦者。もう1度、気を引き締めていきたい」。松永は「どれだけ自分たちの野球ができるか楽しみ」と胸を躍らせ、全国の猛者に挑む大舞台を見据えた。【前田和哉】